男性型脱毛症(AGA)

男性型脱毛症(AGA)

男性型脱毛症(AGA)とは

AGAは思春期以降に男性の前頭部から頭頂部において、「抜け毛が進行し髪が薄くなる状態」のことをいいます。単なる脱毛と異なり、進行性の脱毛症です。

AGAの原因

遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因です。直接の原因物質は、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれるもので、このDHTは5α-還元酵素によってテストステロンから作られ、このDHTが毛乳頭細胞に作用すると、毛の成長期が止まってしまいます。そのため毛髪が長く太い毛に成長する前に抜け落ち、十分に育たない細く短い毛髪が多くなることで、全体として薄毛が目立つようになります。

AGAの原因

AGAの治療法

当クリニックでの治療は以下の治療を組み合わせて治療します。

  1. フィナステリド内服(「プロペシア」、またはジェネリック製剤「フィンペシア」)
  2. デュタステリド内服(「ザガーロ」、またはジェネリック製剤「デュタステリド」)
  3. ミノキシジル内服
  4. ミノキシジル外用(ロゲイン(5%))

複数の治療を組み合わせることで高い発毛効果が期待できます。

1.プロペシア内服

プロペシア内服当クリニックでは、プロペシアはMSD製薬の純正プロペシアを使用しています。

プロペシアと同等の効果が期待でき、価格を抑えた「フィンペシア」もご希望により処方いたします。

◆プロペシアの働き

プロペシアは5α-還元酵素Ⅱ型を阻害し、AGAの原因物質であるDHT産生を抑制します。期待できる効果は「発毛」よりも「育毛」、つまり、「抜け毛を少なくしてAGAの進行を遅らせること」と言えます。

◆プロペシアの効果

国内の臨床試験では、プロペシア1錠(1mg)の3年間投与により、「98%の方に効果あり」という非常にいい結果です。しかし、この数値はフサフサになるということを意味しません。
例えば、頭頂部においてみてみますと、効果ありと言われる98%の内訳には、不変(20.2%)、軽度改善(34.3%)だけで半分を超え、著明改善は6.1%しかありません。これが前頭部(生えぎわ)になると著明改善は2%まで下がります。つまり、プロペシアはごく一握りの人には著明に効く薬ですが、大部分の人には現状維持程度の効果しかない薬であると認識する必要があります。
よって、プロペシアはAGA基本病態をブロックする薬として必要不可欠な薬ですが、単剤投与では効果に限界があり、高い発毛効果を出すには他の薬も併用する必要があります。

◆プロペシアの効果判定

  • 抜け毛が減るという効果が見え始めるには、2~3ヶ月ほどかかります。
  • 効果判定には、1日1回の服用を最低でも6ヶ月の継続が必要です。
  • 効果を持続するためには、継続して内服する必要があります。

◆プロペシアの副作用

重大な副作用の報告はあまりありません。副作用で性機能低下がよく取り上げられますが、発現率は数%であり、プラセボ(偽薬)を対象とした臨床試験では有意差がなく、プロペシアは安全性の高い薬剤と考えられます。

◆プロペシア使用上の注意点

  • 男性脱毛症(AGA)のみに適用であり、円形脱毛症やその他の脱毛症に対する適応はありません。
  • 20歳未満では安全性、有効性は確立してないため、処方はできません。
  • 女性に対しては原則として処方の適応はありません。
  • 前立腺癌検査で測定されるPSA値を約50%低下させるので、検査の際はその旨お伝えください。
  • 服用中は献血をしないでください。

2.ザガーロ内服

プロペシアが5α-還元酵素のⅡ型しか抑えることができないのに対し、ザガーロは、5α-還元酵素のⅠ型、Ⅱ型の両方を阻害することができ、AGAの原因物質である DHTの産生を強力に抑制します。その結果、発毛や密度などの臨床効果が、プロペシアの1.6倍あるとされています。プロペシアの効果が不十分な場合や、さらに強いAGA治療効果を希望される患者様にとっては有効な選択肢となります。

ザガーロと同等の効果が期待でき、価格を抑えた「デュタステリド」もご希望により処方いたします。

3.ミノキシジル内服

ミノキシジル内服薬はもともと高血圧治療薬として開発されましたが、副作用として多毛が出現したために、発毛治療にも使用されてきました。この成分の外用薬が、日本での市販品ではリアップとなります。

  • 血管拡張作用により、頭皮の毛母細胞を活性化させます。
  • プロペシアだけでは難しい生えぎわやM字部の発毛にも効果が期待できます。
  • 高血圧治療時での使用量よりもかなり少ない低容量を使用し、毛髪の効果だけを狙える処方とします。直接体内に吸収されるため、高い発毛効果を発揮します。
  • ミノキシジル外用剤による頭皮アレルギー(ほとんどがその中のアルコール成分が原因)のため外用できなくなった方でも使用できます。

4.ミノキシジル外用(ロゲイン(5%))

発毛効果のあるミノキシジルを頭皮に1日2回外用します。高濃度の5%のものを使用します。

症例

治療前 治療後

よくあるご質問

AGA治療はどのくらいで効き始めますか?
2~3ヶ月目くらいから、「抜け毛が減った」「髪にコシがでてきた」「クシで抵抗感が増えた」など感じ始めます。効果がはっきり感じられなくても、効果判定には最低でも6ヶ月間が必要になります。
プロペシア内服のみの治療では効果はありませんか?
プロペシアで少なくともAGAの進行は抑えられるため、特にAGA予防目的や、これ以上の進行を抑えることを治療目的とされる場合は、有効な治療となります。さらなる髪の増量を期待する場合には、他剤を併用したり、ザガーロに変更した方がいい結果が得られやすくなります。
プロペシア内服とフィンペシア内服では効果に差がありますか?
両者ともフィナステリドという成分とその含有量は同じです。ただし、比較試験データがないのでその差は分りませんが、価格の安いフィンペシアであっても内服するしないでは、歴然とした効果の差があります。特に治療当初はプロペシアで開始されることをお勧めしていますが、プロペシアで価格的に継続が難しくなった場合はフィンペシアでの継続をお勧めしています。
プロペシアからザガーロにかえると効果はあがりますか?
この変更により、77%の方がさらなる効果を実感できたという報告があります。
わかめや昆布などの海草類をとると髪の毛が生えるというのは本当ですか?
わかめなどの海草類がAGAに効果があるという医学的根拠は今のところありません。ただ、髪は皮膚と同じように体の栄養状態が現れますので、バランスの悪い食事をしていると肌の調子が悪くなるように、髪のコンディションも悪くなる可能性があります。バランスのよい食事をとることが大切です。
女性にも同じように治療できますか?
女性の場合、原因が頭皮疾患、ストレス、生活習慣、更年期障害、妊娠、貧血、婦人科疾患、月経不順など多岐にわたり、男性型脱毛症のように原因が画一的ではないため、複合的な治療が必要となります。
ストレスが多いとAGAが進行するというのは本当ですか?
ストレスが直接的にAGAに影響するかどうかは科学的に分かっていません。ただ、過度なストレスは自律神経に悪影響を与え、睡眠不足や、きちんとした食事がとれなくなる原因となり、髪によくない環境をつくることにつながります。
カツラを使用していても治療は可能ですか?
全く問題なく治療をお受けいただけます。

料金

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