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肝斑
肝斑は、しみの一種といえますが、紫外線や老化で現れる一般的なしみシミとは違い、ホルモンバランスなどの内面的な因子に加え、洗顔・お化粧時の摩擦やお化粧品等の化学的刺激、日焼けなど多くの因子が入り交じって発生する色素です。よって原因が不明なところもあり、治療には通常のしみより難渋することも多く、必要に応じて複数の治療を組み合わせる必用があります。
肝斑の特徴
- 左右対称にある
- 目のすぐ周りにはない
- 特に骨のでっぱった所に多い(頬部など)
- 額・口の周辺などにできることもある
- 地図状のものもあれば、広範囲にベタっとしているものもある
- 40代前後であらわれることが多く、閉経後は薄くなることが多い
- 子供やメイクをしなくなった高齢者にはない
- 妊娠やピルの服用によって発症もしくは悪化することがある
肝斑の特徴
上記の肝斑の特徴から判断しますが、遅発性両側性太田母斑(ADM)などとは鑑別しにくいものがあったり、特に頬部にはしみやそばかすなど各種のしみが混じってくるため、診断や治療が難しくなる場合もあります。
治療
症状、程度によって治療を組み合わせて治療します。基本的には慢性疾患と考えられるため、長期にわたる治療を要する場合があります。
洗顔方法の指導
摩擦を極力少なくすることを徹底します。
紫外線対策の徹底
内服治療
抗プラスミン作用によりメラニンを作る色素細胞の働きを抑え、肝斑の発生を抑えます。症状、程度により、内服容量を調節して処方します。
ビタミンC色素沈着を取り除き、美白効果を促します。抗酸化作用もあります。
ビタミンEビタミンCとの相互作用で抗酸化作用がさらに強くなり、メラニンの生成を抑えます。
外用薬治療
メラニンの合成を抑制する美白効果の他に、メラニンに直接働きかけて淡色化する漂白作用もあります。
トレチノイン皮膚の新陳代謝が高まり、メラニンの排出が促され、しみ、くすみが改善されます。
レーザートーニング
まずプレトリートメント治療として、内服・外用治療を2~3ヶ月間して頂き、肌のコンディションを整えてからレーザートーニングの必用な方に施術します。(詳しくは肝斑レーザートーニング)
イオン導入
トラネキサム酸配合のイオン導入を行います。
ファンデーション類の変更
肌に低刺激なミネラルファンデーションへの変更をお勧めしています。(詳しくは Beautiful Skin)
肝斑例
よくあるご質問
肝斑治療で、トラネキサム酸やビタミン内服治療には保険がききますか?
健康保険では、肝斑という病名に対して上記の内服薬が適応となっていないため、健康保険を適応することができません。自費治療となります。
トラネキサム酸などの内服薬で副作用はありますか?
時折、内服後に気持ち悪くなったなどの消化器症状のでる方がおられますので、内服量を調整したりすることはありますが、臨床的には目立つ副作用は少ない内服薬です。
市販品のトラネキサム酸内服薬とはどう違いますか?
現在、市販の肝斑治療薬としては街の薬局で薬剤師の説明を受けて購入できる「トランシーノ」があります。 その中には1日量としてトラネキサム酸が750mg、ビタミンCが300mg含まれており、服用期間は2ヶ月以内と定められています。
この量は、当クリニックで肝斑治療に使用する量の半分程度の量であり、また慢性疾患の性格のある肝斑に対する治療が2ヶ月以内であるとなると、著明な改善効果の得られる方は多くないのではないかと推測します。