「しみをなくすためにセラピューティック治療をする」・・・間違った表現ではありませんが、正確には「しみを薄くするために」という表現が正しいと思います。
特にZOのセラピューティック治療後は、トレチノイン高容量使用による一時的な過矯正の状態であるために、色素改善、肌質改善ともに、目を見張るものがあります。
しかし、そのセラピューティック終了直後の過矯正状態であっても、しみの経過をよく見てみると、なくなったというよりも薄くなったという表現が適切な状態をよく目にします。それをしみがなくなったと呼んでいることが多いだけで、特にはっきりくっきりしたしみは薄くなるだけに終わることが多々あります。
また一見ゼロになっていると思われるしみでも、薄くなっているだけであると再発も早期に起こりがちになります。
実際、セラピューティック終了直後のインパクトのある症例写真は目にすることはあっても、それ以後の経過写真をほとんど目にすることがないのがそれを物語ります。
フォトもトーニングもすべて色素を薄くする治療なわけですが、セラピューティックもその部類とすれば問題はありません。しかし、しみがなくなる治療と思って受けると、しみだけの改善効果ではしみレーザー治療(Qスイッチレーザー)よりも結果は劣ることになります。
この点を十分把握せずに、しみをとりたい(=完全になくしたい)と思って治療を始めると、治療結果の満足度にずれが生じてしまいます。
では、セラピューティック治療でしみを完全になくし、セラピューティック終了後もしみの再発を遅らせるためにはどうすればいいか。
その答えは私の場合、しみ治療レーザー(Qスイッチレーザー)の同時併用です。
セラピューティック中にQスイッチレーザーを併用すると、お互いの効果を高め合うだけでなく、お互いの欠点も相殺しあい、いいとこ取りの治療となります。
さらに、しみの完全除去という概念を加えることで、しみの再発も遅らせることが可能になります。
このことが顕著にわかる症例がありますのでみていきましょう。
✅治療前(写真1)
この症例では、無数の細かいしみと、その上にくっきりとした大きなしみ1個が重なっています。
外用だけですと、細かいしみはなくなっても、くっきりした大きなしみは薄くなるにとどまるという結果が経験的に予想されます。
セラピューティック初日に、くっきりした大きなしみだけにしみレーザー治療を施行し、照射当日よりかさぶたの上から外用治療を開始しました。
✅セラピューティック終了時(写真2)
セラピューティック終了時には、レーザーをした大きなしみは当然のこと、周囲の細かいしみも地色もすべて綺麗にとれており、一見「とれた」という事では同じとみることができます。
✅半年後(写真3)
しかし、半年後にはセラピューティックをしただけの周囲の細かいしみはすでに再発し始めています。
✅4年後(写真4)
4年後になると、セラピューティック外用治療のみで治療した周囲の細かいしみはより顕著に再発をしてきているのに対し、レーザー照射した大きなしみ部分は、4年経ってもベースの色も含め長期にいい状態を保っています。
このことから、長期的結果を考えると、セラピューティック外用治療の際には、しみに極力多くのレーザー照射を併用する方が優れた治療となることがわかります。
この症例もすべてのしみに全照射していたならば、長期結果はよりいいものになっていたと思われます。
ただし、しみ体質の方の治療は難しい面もあり、この症例でもレーザー治療をしたくっきりとしたしみに重なっていた細かいしみの中には、レーザー照射がされたにも関わらず、再発してきているものもあります。
そうであっても、レーザー治療併用部の方が長期結果に優れるということは確かなことと言えます。
注)これは私個人の現時点での治療方法であり、 GAUDISKINとして定められた治療法ではありません。GAUDISKINのみでの治療も一つの有効な治療法であり、担当される先生の方針に沿って治療をお願いいたします。
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