セラピューティック開始7週目でとれていないしみはそれ以上続けてもあまり薄くならないことが多いため、以前は7週目の時にセラピューティック治療だけでは完全にゼロにならなかったしみだけに、治療を継続しながらQスイッチレーザーを照射していました。
その時にはターンオーバーが早くなっているので、ほとんどが1週間以内にかさぶたがとれ、炎症後色素沈着の起きる率も激減します。
また、肝斑の上に乗っているしみを照射してもほとんど肝斑が悪化することもなく、レーザーの合併症を相殺しながらレーザー治療の良さを引き立ててくれる治療となり得ました。
しかし、7週目ではセラピューティック治療効果がでてしまうために、照射不要のレベルになったしみや照射効果が十分にでないレベルの薄いしみも混在するようになってしまいます。
そうなると、しみの再発を遅らせるためにレーザー照射を併用するというメリットが、すべてのしみに対して得られなくなり、長期的戦略としては不十分でした。
そこで現在は、重篤な広範囲肝斑症例以外のすべての症例に、 GAUDISKINセラピューティック初日にQスイッチレーザーを施行し、照射当日からセラピューティック治療をかさぶたの上から通常通り開始するという方法をとっています。
初日のレーザー施行時には、薄いしみの詳細まで把握できるようにライトをつけ、かなり薄いしみにいたるまで、できる限りのすべての色素に照射します。
肝斑のような色素が混在している方にも、「肝斑よりもしみの方がはるかに目立っているためにしみ優先で治療する」ということを十分説明して、肝斑治療併用の下、すべての色素に照射することもあります。
照射発数は1000発を超えることもあります。
通常では照射しない発数ですが、これは照射当日からセラピューティック治療を始めるという前提があるために安全に照射可能となります。かさぶたも通常より早めにとれ、レーザーによる炎症後色素沈着の可能性も、肝斑の悪化の可能性も低くなるからです。
初日のレーザー治療がなければ、しみ治療をセラピューティック治療だけに頼ることになり、ZOのように高容量のトレチノインを数ヶ月使用し続けなければならないことになります。その結果、赤み・落屑などのビタミンA反応をひどく長く続けざるを得なくなります。
しかし、初日にレーザー照射をしてしまうと、最初の1週間でしみ治療のほとんどが終わってしまうために、その後のセラピューティック治療は炎症後色素沈着予防目的程度に使用するだけでよくなります。
最初の3週間程度しっかり使えば、あとはビタミンA反応があまり気にならないところまでトレチノイン量を落とすことが可能になります。
レーザーを併用するのであれば、セラピューティック治療は単なるサブ治療かというとそうではありません。
レーザーでは目の周囲の色素改善などは不可能ですが、セラピューティック治療ではほとんどの例で改善できます。また、肌質・肌機能の改善もレーザー治療では不可能ですし、色むらなども同様です。
よって、レーザー治療とセラピューティック治療は、合併症を相殺するだけでなく、お互いに苦手なところを補完し合う相性のいい対等なメイン治療どうしといえます。
もちろん、レーザーを併用しなければいけないわけではありません。
よりよい結果を求めてのことです。
初日レーザー併用セラピューティック治療は、治療結果が前倒しされているため、7週程度(場合によっては4週)セラピューティック期間を設ければ十分となります。
赤みかさつきなどのビタミンA反応のひどい状態は、単に肌が危機的になってるという認識が必要です。
そのような状態は、少しでも早く切り上げさせることが極めて重要です。
注)これは私個人の現時点での治療方法であり、 GAUDISKINとして定められた治療法ではありません。GAUDISKINのみでの治療も一つの有効な治療法であり、担当される先生の方針に沿って治療をお願いいたします。
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